◎ オペラ「安珍と清姫物語」について |
奥州白川から、はるばる熊野詣でに訪れた美形の修行僧安珍は、真砂の庄司清次に宿を借りた。
清次の娘清姫はその姿を一目見て、たちまち恋に落ちた。だが、安珍は修行の身であったので、参詣の帰りに必ず寄るからと嘘をついて、
そのまま帰ってしまった。それを知った清姫は安珍を追い、ついには大蛇の姿と化して日高川を渡り、なおも追い続けた。
安珍は梵鐘を降ろしてもらいその中に隠れたが、大蛇は梵鐘に巻きつき、遂に安珍を焼き殺してしまった。
そして清姫は蛇の姿のまま入水した。
このオペラでは、清姫の幼馴染のさよを登場人物に加えた。
また、安珍の方も一度は清姫に魅かれるが、結局裏切るという設定になっている。
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初演:2009年5月9日 名古屋市熱田文化小劇場 |
安珍 井原義則
語り部 吉田裕貴
さよ 佐藤多都子
清姫 杉村真理子
船頭、僧侶1・2、村人たち 混声合唱団コール・グローリア
ピアノ 浅井峰子
ピアノ 釣 由美
チェロ 吉田 顕
パーカッション 跡部信之
演出 石河美幸
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語り部登場。はるばる奥州白河から修行僧安珍が真砂庄司家を訪れ、清姫と運命的な出会いをする様を語る。 |
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清姫と幼なじみのさよ。祭りの衆にからまれたところを清姫に助けられる。 |
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さよは、ふとしたことから清姫が蛇の化身ではないかと疑惑をもつ。清姫は安珍に嫁ぎたいと強く訴える。 |
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安珍は、帰りに必ず寄るからとなだめて去る。清姫は安珍の帰りを待つ切ない日々を送る。 |
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安珍は清姫への思いを絶ちきって、清姫に見つからない道を選び、ひたすら逃げる。船頭に、清姫が来ても絶対に載せないように頼み込む。 |
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安珍を追う清姫は、遂に大蛇に変身して日高川を泳いで渡る。 |
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安珍は助けを求めて道成寺を訪ね、釣鐘を降ろしてその中に隠れる。道成寺に到達した大蛇は火を吐き釣鐘に巻きつき、中の安珍は遂に焼き殺される。 |
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釣鐘に巻きついた清姫は、切々と思いを歌い遂に入水する。そして清姫は天に登り、安珍と結ばれた。 |